WHO CARESのニュースレター 創刊号:ニュースレターはじめました!
こんにちは、はじめまして!WHO CARESのさのです。今回からWHO CARESでは、ニュースレターを発信していくことになりました!
わたしたち、一般社団法人WHO CARESは、2023年3月に立ち上がった団体です。ですがウェブサイトにもある通り、私たちにもなんなのかよくわかっておりません。😂
そこで、私たちがWHO CARESとはなんなのか探りつつ、WHO CARESのことを支えてくださるみなさまにも知っていただくため、ニュースレターでの発信をはじめます!よろしくお願いいたします。
(できるだけ)毎月WHO CARESにまつわるさまざまな情報をお送りしますので、よろしければご登録ください!
今月のWHO CARES
WHO CARESでは、一時的な生活支援をおこなうシェルターと、コミュニティスペース「三〇一会館」の運営をおこなっています。それらの活動を中心に、WHO CARESの毎月の活動をご報告していきます。
活動①:シェルターの利用状況
2025年4月、WHO CARESのシェルターは2件(延べ26泊)の利用がありました。
いつもひとりずつかなり違った、さまざまな事情での利用があります。それぞれ社会の状況と紐づく切実な問題なので、ご支援いただいているみなさまにもご共有して、一緒に考える機会としていきたいのですが、今回は事例の情報が公になることで、ご本人の環境に影響を与える可能性があるため難しそうです。
今後、お伝えできるような事情の利用のときは、こちらでもご共有していきます。
活動②:三〇一会館 棚オーナー増えてます!
WHO CARESの拠点「三〇一会館」の棚オーナー、増えてきています!
現在は7組の方にご利用いただいています。まだまだ募集中です!詳細はこのニュースレター下部「支援のお願い」をご覧ください。
この本は、三〇一会館で読めるのはもちろん、どなたでも借りることができます。三〇一会館の開放日に来ていただいて、貸出をお申し出ください。
貸出の冊数とか、来館者数とか、実績として数えたいと思っています。すこしずつ整えていきます!
活動③:三〇一会館 たのしい開放日
看板ができました!
WHO CARESの拠点「三〇一会館」は、北20条東1丁目、「コーヒーハウス ミルク」のビルにあります。現在は週末を中心に開放しています。
4月19日は、棚オーナーの山田さん、北大の看護の学生さんたちが来て、ピザを焼きました。
4月26日は、立命館大学准教授、社会学者の冨永京子さんが来てくれました。棚オーナーにもなっていただきました!思いついたことノート、ぜひ書いていってください。
研究ノート
WHO CARES代表、小川遼による研究ノートです。精神障害者の住居喪失要因や、対話実践についての研究を、毎月すこしずつまとめていきます。
排除と収奪に関するノート
ある派遣会社
コロナウイルスの感染が拡大し、情勢の混乱が今よりも激しかったある日のことだった。派遣会社の人間が僕の職場を訪ねてきた。職場はホームレス支援を掲げており、彼は働き手を探していた。
技能実習生は給料安くてもよく働くんですよ、あとがないから。ホームレスも同じかと思って
ウイルスの影響で当時は外国人技能実習生の入国が制限されていた。そこで彼はホームレスに目をつけたのである。こうしたことは珍しいことではない。ホームレスなどの社会的に格下とされた労働者たちは昔からあとがない状況の中で、低賃金かつ不安定な仕事に従事することを余儀なくされてきたからである。むしろ、ある種の伝統であるとさえいえるかもしれない。この派遣会社の営業もまた悪びれもせずこう言ったあと、ヘラヘラと笑っていた。 いったいこれはなんなのか。どうしてこんなことになっているのか。今回はこの状況を表現するのに適していると思われる2つの概念について書きとめておきたい。「社会的排除」と「収奪」である。
社会的排除という概念
西澤はこうした状況を社会的排除という概念で説明した。西澤による定義は次のようなものである。
社会的排除とは、財や権限を既得する層・集団や国家権力が、特定の社会的カテゴリーを資格外とみなし財や権限から締め出すことをいう
——西澤晃彦(2010)『貧者の領域:誰が排除されているのか』河出書房新社
社会的排除という概念はしばしば曖昧に、さまざまな用途で使われてきた。西澤があえてこのように定義することで表現しようとしているのは、社会の、あるいは資本主義の加害性であるように思う。西澤はこの後の部分で、排除と包摂は同時に起こるとも指摘する。社会はある種の人々を排除し、二級市民を形成した上で、廉価な労働力として再び包摂するからである。いわば差別を金に変える仕組みだ。上述のエピソードはこの構造が机上のものではないという証拠だろう。 技能実習生を技能を習得しようとしている実習生たちのことだと字義通りに考えている人はほとんどいない。技能実習制度は労働力を確保する目的で生み出され、法的に転職の自由等を制限されてきた。廉価で都合の良い二級市民の労働者である。だからこそ派遣会社は困っていたのだ。 社会的排除という概念をこのように定義することで見えてくるものは他にもある。ここに女性を含めて考えることもできるだろう。女性たちは長らく労働市場から排除され、無償の家事労働という形で労働力の再生産領域を担っていた。また男女雇用機会均等法の成立前後まで、女性を二級の労働者としてみなすことも常識でさえあった。女性たちは男性よりも低賃金で、同等の労働力を市場に供給していた。 そしてバブル崩壊以降に拡大した非正規や派遣という雇用形態もまた排除と包摂のシステムであると解釈することができる。これは人種や性別等のカテゴリーに基づいた排除を新自由主義的な虚構によってカモフラージュしつつ、同時にその対象を拡大させるように機能している。
収奪の理論
社会的排除をより広範な資本主義に関する議論と結びつけて考えることもできる。ローザ・ルクセンブルクに始まる本源的蓄積に関する研究である。資本主義の初期段階において暴力的な土地の略奪(本源的蓄積)が行われ、その後に搾取による蓄積が行われるというのがマルクスの主張だったが、ローザ・ルクセンブルクは本源的蓄積が実のところ植民地の拡大として継続されており、それによってこそ資本蓄積が可能になっているというのであった。 こうした議論はその後、エマニュエル・ウォーラーステインやガルギ・バタチャーリャ、デヴィッド・ハーヴェイ等に継承さた。それらの成果によれば、経済植民地からの収奪が限界に近づいた現代において引き換えに増大したのが本源的蓄積の内部化である。すなわちそれが新自由主義政策を通じて進行した社会的排除と名指される状況であると理解することもできるのだ。 つまり排除され二級市民として包摂された人々は単に搾取されているわけではないと考えるべきだろう。フレイザー(2023)はこれを搾取と区別して収奪と呼んだ。マルクスのいう搾取とは、労働力の再生産に必要なだけの賃金を労働者は得る一方で、労働力が生産する労働力の再生産分以上の価値、すなわち剰余価値が奪われることを指しているからである。一方で収奪は再生産に必要な価値にまで食い込む、少なくとも部分的には奴隷的なものである。
分断の時代における支援
少なくない人々がいまの時代を分断という言葉で言いあらわす。この分断は単に偶然にもそうなってしまったというような性質の現象ではおそらくない。金になるからこそあえて生み出されてきた側面がある。 そして排除された人々は日々の体力や気力を回復したり、子どもを産み育てたりするという生存の領域までをも奪いとられ、そしてそれによって、それ以外の人々の豊かさや資本の蓄積が可能になっている。 こうした状況にあって貧困に対する支援はどのようになされているのか。生活困窮者自立支援法は、派遣労働・非正規労働の拡大とリーマンショックとが重なった際に多くの生活困窮者・貧困者が生まれたことへの反省から作られた法制度である。しかしその制度に給付型の事業はほとんど含まれていない。中核に据えられたのは就労支援であり、しかもその就労支援事業は多くの自治体で派遣会社が受託している。もちろん肯定できる側面もこの制度には多く含まれているし、生活保護制度によって生存権保障も行われているが、しかし新自由主義政策のつけを払うための施策がこれでいいのかという気はする。 抜本的な解決策は簡単に用意できないかもしれない。とはいえ、少なくとも現場レベルでは「正しくもなんともない社会」という前提を頭に入れて「支援」は積み重ねられていくべきなんだろう。
文献
植村邦彦(2016)『ローザの子どもたち、あるいは資本主義の不可能性』平凡社
西澤晃彦(2010)『貧者の領域:誰が排除されているのか』河出書房新社
ナンシー・フレイザー(2023)『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』筑摩書房
WHO CARES フレンズレター
三〇一会館の棚オーナーさんや、WHO CARESに関係のある方々にお手紙を書いていただくコーナーです。
1回目は、社会学者の冨永京子さんに書いていただきました!
はじめての選書
普段は東京で暮らし、京都で働いているが、ご縁があってWHO CARESの棚オーナーをさせてもらうことになった。元々は欧州で移民支援や女性・若者支援を行うアクティビストによるスペース(ソーシャル・センターとかオルタナティブ・スペースとか言ったりする)を研究しており、日本でもこうした試みはないかと探索していたところ、WHO CARESにたどり着いた。
棚オーナーにならせてもらって何だが、実は「書棚」や「選書」がめっぽう苦手である。実は東京の神保町に住んでいるので、いわゆる棚オーナー制度を有する書店やスペースなどもそれなりに見るのだが、いろいろ思うことはある……というか神保町という街そのものが持つ、知識人・読書家・業界人的自意識が相当嫌いだ。
選書をして売る、その裏側にへばりついた選書者の自意識や商魂みたいなものがとにかく嫌なのだ。自分が読まれない本ばっかり書いてる売れない著者だからかもしれないが、本くらい勝手に選ばせろよ、かつ、そんなに売りたいなら別の消費財でも売ってろよと思う。まして「著名人の選書した本棚」とか見ると、有名性と商業性と自意識のトリプル気持ち悪さでたまらなくなる。
そんな嫌悪感を乗り越えて棚オーナーになろうと思ったのは、何か「置く」ことそのものが空間の自治を作る試みだと、いままでの研究経験から重々知っていたからだ。これまで調査したスペースのアクティビストたちは、トイレに生理用ナプキンを置いて身体の自律を主張し、議論が深刻になるとミーティングテーブルの上にそっとマヌケなあみぐるみを置いた。そうやって空間を形成し、包摂や自治を遂行した。それと同じようなことができたらという思いも多少はあった。
棚を借りて何を置くかという話になり、テーブルゲームなども考えたが、こまごました備品が多く管理が大変だと思ったので却下。なるほど、こう考えると本は相対的に安価で管理も楽かもしれない。Seesaw Booksで友人の著書を中心に選び、照れ臭いが自分の本も入れた。母親から「そんな難しいのばっかり置いても誰も読まないって」と指摘されたので、エッセイや小説も盛り込んだ。
そういうやりとりと選書を重ねていくうちに、何か、まだ出会わない人々に対してプレゼントを選ぶような気持ちになった。街角の書店で選書をするいけ好かない(と感じていた)人たちもこういう気持ちなのかもしれない。せっかくなのでと、よくオルタナティブスペースで見かけた通信用ノートも置いてみた。書く人はそんなにいないかもしれませんが、「あなたからの反応を期待しています」というメッセージくらいにはなればと思う。
富永京子(とみなが・きょうこ)
1986年生まれ。立命館大学産業社会学部准教授、専攻は社会運動論。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程・博士課程修了後、日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、2015年から現職。著書に『「ビックリハウス」と政治関心の戦後史』『社会運動のサブカルチャー化』『みんなの「わがまま」入門』など。
WHO CARES WHO?
WHO CARES理事のメンバーによるエッセイを毎月公開していきます。初回はシェルターの発起人であり、Untapped Hostel / Seesaw Booksなどを運営する株式会社PLOWの神輝哉です。
法人登記をしに、法務局に行った時に「法人名に"?"は入れることはできません」と言われた。なるほど。一つ賢くはなったが、このハテナが大事なのに、、と内心は結構残念な気持ちであった。
一般社団法人WHO CARESの名称は、元々英語の「Who Cares?」という日常会話のフレーズに由来している。「誰が気にするの?=知ったことか!」という冷たい、突き放したニュアンスを含んだ表現だ。
本屋(Seesaw Books)の二階がシェルターだった時、大体は穏やかな日々ではあるが、時に想像を超える出来事が起こったりもした。爺さんとおじさんのキスしちゃうんじゃないかくらい顔を近づけてのケンカだったり、OD(薬の過剰摂取)でヨレている女の子だったり、パトカーが何台も来たり。他にもいろいろ。もちろん、場合によっては僕だけでは対応できず、札幌市ホームレス相談支援センターJOINのスタッフの方が駆けつけてくれることもよくあった。
そういう時に?が現れる。
ハテナは問いかける。お前は何のために?と。
ハテナは自分自身も放っている。知ったことか!と。
そんな狭間に立っていると人はまあまあ疲れる。最近は首のヘルニアが悪化し、「友人に首は精神に来るからお大事にね」と言われた。本当にそう。それでも、そんな言葉にし尽くせない感情ごと引き受けていくことが大事なんじゃないかと思う。少なくとも「〜の為」という言葉は僕からは消え去った。それは不可分な気がしていて。
WHO CARESは法人名にこそハテナは削除されてしまったが、ハテナごと受容する要素があると思う。三〇一会館という、今年の8月に出来た場所はそれを具現した空間だ。WHO CARESは運動体。そこに希望は、ある。
小川遼のすきま歩き日記
酔って歩き、気がつくとモルモットを1匹引き取っていた、WHO CARES代表・小川遼のfacebook投稿をまとめています。
4月3日 21:20
ロイヤルエントリー
三〇一会館のモルモットはこの場所からもらわれてきたようです(さの)
4月4日 12:11
修論の計画でヒイヒイ言いつつ、ぼちぼち相談援助に関する授業の準備。いままで貧困とか生活保護とかの話はちょこちょこしてたけどこういうのは初めて。
先日、大学院の同期の看護師さんたちと飲む機会があった。看護師さんたちは「自己研鑽」という言葉をよく使う。大学院に進学するくらい意識高い人たちというバイアスがあるだろうけど、文化というか規範として「自己研鑽」が根づいている感じがしていいなと思った。かっこいいよな。
この10年、僕もわりかし自己研鑽に金と時間を注ぎ込んできた気はする。年間数百人の新規相談を受けるので、学んだことをすぐに活かせる環境もあった。何かとつたえられることはあるでしょう。
短時間でそれっぽくなるようなプログラムを作りたい〜
4月9日 13:13
路上者の葬儀を行うのは2回目になる。前回は病院から連絡をもらえたので、いろいろゴタゴタはあったものの火葬の前に行えた。
今回連絡をもらったのは火葬も終わり骨壷に収まってから。親族が引き取らない場合にはこちらで遺骨を引き取りたいと保護課のケースワーカーに伝えた。
三〇一で、李さんからもらった便利なちゃぶ台を簡単な祭壇にした。米本さんがきてくれて、参加者の思い出話から戒名をつけ、お経をあげてくれた。
米本さんは、WHO CARES理事のおひとりで、お坊さんをされている方です(さの)
4月11日 16:19
皿洗いも掃除も半年くらいできなくて、髪も4ヶ月くらい切ってなくて。セルフネグレクトとか言われてましたが、今月ついにいずれも達成した。
小川さんの意外な側面!自分のケアがいちばんむずかしいですよね(さの)
4月16日 8:45
イクラはきっと高いよな、と思って掴んだチャーシューマヨ。250円のおにぎり。給与は据え置き。
インフレ時代の勤め人の哀愁が漂いますね(さの)
今月のふりかけ
三〇一会館に住人が登場しました。モルモットの「ふりかけ」です。なぜふりかけなのかは会館の誰かに聞いてみてください。普段はケージで寝ていることが多いです。
ケージから出してあげると走り回ります。物陰が心地いいようです。
支援のお願い
このご支援は、一般社団法人WHO CARESのシェルター、そして三〇一会館の運営費用に充てられます。WHO CARESはみなさまのご支援により運営を継続しております。ぜひ「毎月」500円からの支援をお願いいたします!
クレジットカードでご支援いただける方
頻度「毎月」でご支援いただくと、自動的に定期支援となります。500円からでも大きな支援になります。ぜひ定期支援をお願いいたします。
直接振込でご支援いただける方
下記の口座番号宛てにお支払いをお願いいたします。こちらも定期振込はもちろん、1度からのご支援も受け付けております。
北洋銀行 北二十四条支店(店番号319)普通7205198 (シャ)フーケアズ
みなさまのご支援により、まずはWHO CARESの活動が持続可能になり、その先にはWHO CARESの活動をさらに発展させていくことができます。正直にいうと、現在まとまった収入の目処がなく、このままだと1年以内に活動を終了せざるをえない状況です。わたしたちも探り探りですが、それでもしっかり意味のある活動。これをなんとか継続していきたいので、ぜひみなさまのご支援をいただければ幸いです。
棚オーナーとしてご支援いただける方
また、棚オーナーとしてのご支援も募集しております。月額1,650円(税込)で、三〇一会館の棚をおひとつご利用いただけます。
棚オーナーのみなさまへの特典もご用意しております!
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三〇一会館を使用してのイベント無料開催権
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三〇一会館で開催されるWHO CARES主催イベントへの参加費30%OFF
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三〇一会館での不定期Bar営業時、ドリンク一杯無料
詳細は下記Instagram投稿をご確認ください。ご連絡はInstagramのDMかLINEでお願いいたします。
何卒よろしくお願いします!
お知らせ
あらためまして、5月の三〇一会館の開放日はこちらです!今月からボランティアのみなさまのおかげで、火曜日と金曜日も開放が始まっています。お気軽にお越しください。
三〇一会館の場所はこちら(前田ビル301号室)です。北18条駅・北24条駅から徒歩15分ほどです。
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初回のため、内容盛りだくさんでお送りしました。次回はすこし分量が少なくなると思います。笑
それではまた来月!
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